神話
パンドラ
名前は「全ての(Pantes)贈り物(Dora)」を意味する。
ヘシオドスの書いた「仕事の日」の中でゼウスがプロメテウス、エピメテウス兄弟に贈った最初の女性。ヘパイストスが粘土で形を作り、美の女神・アフロディテが美しさを、ヘルメスがずる賢さを、芸術の神・アテナが美しく服を与えた。
兄のプロメテウスには未来の見通す力があったが、エピメテウスには物事が起こってからしか考えることができなかった。そのためプロメテウスから「ゼウスからの贈り物は受け取ってはならない」と忠告をされていたにもかかわらず、パンドラの美しさに惑わされ彼女を家に迎え入れた。
この家には大きな壷が置いてあり中には、プロメテウスが戦争、病苦、嫉妬などの無数の災厄を入れていた。ある日、パンドラが壷を見つけ開けてしまったことでそれまで1つの邪悪なものがなかったこの世に様々災厄が飛び出し悩まされることになった。
パンドラが慌ててふたを閉めたが、壷の底には「希望」しか残っていなかった。ドーラ、アーウィン・パノフスキー夫妻の研究によりパンドラが開けたのは箱ではなく壷だったとされている。
エピメテウスとパンドラは娘・ピュラをもうけ、その後ゼウスが起こす大洪水も生き残りプロメテウスの息子・デウカリオンと結婚する。
パンドラは土星4番の衛星の名前にもなっており、1980年ボイジャー1号の撮影した写真の解析により発見された。