トロイア戦争Trojan War
ホメロスの英雄叙事詩「イリアス」で語られるギリシアとトロイアの戦争。
アルゴ船の探索にも参加した経験を持つエギナ島の王、ペレウスは海の女神、テティスとの結婚式にギリシアの神々や英雄たちを招待したが、唯一招待されなかった不和の女神・エリスは怒り、最も美しい女王にささげるという「黄金のりんご」を神々の座に投げ入れた。
この宝物を巡って戦いの女神・アテナ、美と愛の女神・アフロディテ、結婚の女神・ヘラによって激しい争いに発展した。事態を収拾するためにゼウスは誰に「黄金のりんご」がふさわしいかをトロイアの王子・パリスに委ねる。
パリスに対して3人の女神は美しい姿にも加えアテナは「名声」、アフロディテは「世界一美しい女性を妻」、ヘラは「権力」を与える約束し、パリスはアフロディテに「黄金のりんご」を与えてしまい、この選択は「パリスの審判」とも呼ばれている。
「世界一美しい女性を妻」、つまり「愛」を選んだパリスは、アフロディテの誘いに乗り、アガメムノンの弟でスパルタ王・メネラオスの妻であり、テュンダレオス王の娘で美女のヘレネを財宝と共に奪い去った。これが、アガメムノンを総帥とする10万人を超えるギリシア軍のトロイ遠征に繋がり、10年間に及ぶトロイア戦争へのきっかけとなった。
トロイア戦争ではアテナ、ヘラ、ポセイドンがギリシア軍側に付き、アフロディテ、アポロン、アルテミス、アレスがトロイア軍側に付いた。
トロイア戦争は、長年こう着状態が続いたが、大きな木馬の中に兵士を隠して、トロイアの城門に侵入する、オデュッセウスの「木馬の計」によって、ギリシア軍の勝利につながる。このことから、ユーザに気が付かれないようにPC内に侵入し、様々な悪事を行うプログラムを「トロイの木馬」と称するようになった。
長年、トロイア戦争は「ギリシア神話の中の戦争」とされていたが、ドイツ人の考古学者のハインリッヒ・シュリーマンが1870年にトルコのヒッサリクの丘でトロイ遺跡を発見したことで、トロイア戦争の一部はアカイア人、イリオン人の間で発生した実際の戦争を元にしている歴史的根拠と考えられている。
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